トランス脂肪酸の最たるもの、それがショートニング!

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ショートニングは、主として植物油を原料とした、常温で半固形状(クリーム状)の、食用油脂です。 マーガリンから水分と添加物を除いて純度の高い油脂にしたものと考えてよいようです。

パンや焼き菓子の製造などにバターやラードの代用として多く利用されています。 無味無臭で、製菓に使用すると、さっくりと焼き上がるのが特徴の一つです。

これは製品によっても異なるようですが、日本で一般的に販売されているものについていえば、100gあたりマーガリンで約13g以上(ものによっては何と40g以上!)、ショートニングで約15g以上のトランス脂肪酸が含まれていると言われています。

ショートニング

 

 

 

トランス脂肪酸はアメリカでは使用禁止

アメリカでは、2015年米食品医薬品局(FDA)がトランス脂肪酸は心臓疾患のリスクを高める原因となる油であり、「食用として一般的に安全とは認められない」と判断され使用を禁じると発表されました。その後3年間の猶予期間を経て、20186月以降は食品への添加を原則認められていないのが現状です。

ところが、日本では規制されていません。世界保健機関(WHO)はトランス脂肪酸の摂取を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるよう目標値を設定しました。日本では食品安全委員会が12年の評価書で、日本人の大多数はWHOの目標を下回っているとして「通常の食生活では健康への影響は小さい」と結論づけたため、米国のような規制はされていないのです。よって、おのおので気をつけるしかありません。

 

トランス脂肪酸って何がそんなに悪いの?

トランス脂肪酸の含有量が高い油ほど、血液中の中性脂肪と悪玉コレステロールが増加し、善玉コレステロールが減少します。

牛肉・羊肉、牛乳、乳製品などに含まれる天然由来のトランス脂肪酸もありますが、化学的に作られたマーガリン、ショートニング、植物油脂などは、トランス脂肪酸の含有率が高いのです。

循環器系の炎症リスクを著しく高め、心臓発作や脳卒中の原因となる動脈硬化や血漿脂肪の増加、ひいては糖尿病や認知症なども引き起こすといわれています。

 

子供が危ない!

現代の子供は乳児の頃からトランス脂肪酸の危険にさらされていると言われています。その原因はショートニングです。ベビーフードや子供の大好きなクッキーやウエハース、ボーロなどの食べ物の多くにショートニングが含まれているからです。

学校給食の食パンは、塩やショートニング、砂糖の分量まで全て決まっているそうです。これは文部省の「学校給食実施基準」に定められています。簡単な試算をすると、学校給食で週に3回食パンを食べたとしたら、小学校6年間で500g以上のトランス脂肪酸を摂取することになります。

また、現代はハンバーガー、ピザ、ドーナッツなどファストフードのお店が溢れています。さらにファミリーレストランにコンビニ、これらのお店で販売されているパンやスナック菓子、料理などにはショートニングやマーガリンなどのトランス脂肪酸が大いに含まれています。

子供たちは手軽さと美味しさでこうした商品を食べる機会が増えています。つまり、子供たちは幼少のころからトランス脂肪酸の危険にさらされ続けていると言っても過言ではないでしょう。

トランス脂肪は脳の伝達神経機能を変形させます。そして、この状態が何年も繰り返されると、ADHD、情緒不安定、うつ、集中障害などの脳の重要な機能低下を招く恐れがあります。

特に、発達途上にある子供の脳の発育、人格形成に与えるダメージはかなり大きいと考えられます。

また、LDL(悪玉)コレステロールを増加させ、HDL(善玉)コレステロールを減少させる働きがあり、冠動脈性心疾患に繋がる可能性や冠動脈性心疾患により、突然死・糖尿病・内臓脂肪の蓄積(メタボ)・高血圧・高血糖になるリスクが高まる危険性があります。ファストフードの過剰摂取は小児糖尿病発症の原因リスクのひとつとして心しておく必要がありそうです。

更に、アトピーなどのアレルギーを誘発する可能性もあります。このようにトランス脂肪酸の身体への悪影響がたくさん報告されています。

日常生活にあふれているトランス脂肪酸。アメリカでは、規制されているトランス脂肪酸ですが、日本では現在特に何も規制されていません。規制がないから安心というわけではありません。自分の身体は自分で守るしかありません。特にほとんど知識を持たない子供たちには大人が食の安全性や危険性を教えていくことが必要です。そして家庭ではできるだけ安心安全な食品を選んでいきたいものです。

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