体調不良と栄養の関係

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「栄養不良」とは、栄養素の必要量(年齢や性別、仕事量などにより異なります)と摂取量のアンバランスから生じるもので「栄養不足」と「栄養過多」があります。

栄養の摂取過多(過食)に伴う肥満などの問題は、心臓病や脳卒中、糖尿病などの生活習慣病(メタボリックシンドロームなど)を引き起こす原因の一つとして挙げられますが、一方、栄養不足も栄養過多同様、体調不良や様々な疾病の原因になるので注意が必要です。

体調不良による身体症状の例

 

頭痛 めまい 立ちくらみ

めまい

脳のMRI検査をしても異常が認められない頭痛の多くは、鉄不足、機能性低血糖症、カルシウムやマグネシウムの不足、ビタミンB群の不足などが原因であることが明らかになってきています。

ヘモグロビンが正常でも低フェリチンでめまいや立ちくらみが起こります。特に月経のある年代の女性は、頭痛の多くが鉄不足と関与していると言われています。

低フェリチン(鉄欠乏)の場合、ヘム鉄摂取で頭痛が速やかに改善する場合がしばしばあります。

機能性低血糖症による頭痛の改善には、1日3回の適切な食事をすることと、砂糖の多く入った菓子・ジュースやカップラーメンやファーストフードなどを控え、肉、卵、豆、チーズなどのタンパク質を少しずつ1時間から2時間おきくらいに食べるようにして、低血糖改善の食事をすることが大切です。

また、ナイアシン、ビタミンB群の摂取、ミネラルなどのサプリメントの補給が必要になります。

若い女性のめまいや立ちくらみなども、MRI検査をしても脳に異常がない場合がほとんどです。低フェリチンがめまいや立ちくらみの主な原因だといわれています。

また、めまいはナイアシンの不足が関与しています。ヘモグロビンが正常でも低フェリチンでめまいや立ちくらみがおきます。

一般的な病院ではヘモグロビンと血清鉄が正常範囲ならば、貧血なし、鉄欠乏なし、と診断されてしまいます。ひどい場合は、うつ病などの精神疾患と誤診され抗うつ剤を処方されてしまう場合もあります。

慢性疲労

慢性疲労症候群

慢性的な疲労、めまい・頭痛などを訴えて病院で検査しても「異常なし」と言われ、それでも症状を訴えると心療内科に紹介され鬱や神経症をいう病名で抗鬱剤(SSRI)を処方されている人も多いようです。

脳内には鉄を含んだ酵素が多数存在し精神神経活動に関与していますが、鉄が不足すると酵素活性が低下し神経機能が低下して鬱・慢性疲労・頭痛などの様々な精神神経症状を呈します。

また、ミトコンドリアというエネルギー産生工場に存在する電子伝達系の構成要素であるチトクロームa、b、cにも鉄は必要です。

ミトコンドリアの機能が低下すると、エネルギー産生(ATP合成)がスムーズに行われなくなり、疲れやすくなります。

また、低血糖症やカリウム、ビタミンB1不足も慢性疲労の原因となります。そこで、糖質の過剰摂取を控え、タンパク質やビタミンB1を含む食品をしっかり摂取することが大切です。

女性の原因不明の症状

原因不明の症状

女性は月経のため慢性的な鉄不足状態にあることが多いです。

鉄は脳内の神経伝達に関する酵素に多く必要とされていますが、その他にも粘膜、エネルギー産生器官のミトコンドリア、コラーゲン産生、体温調節に関わる酵素などにも必要とされます。一見鉄不足が原因と思えない症状も実は鉄が関係しているのです。

例を挙げると、倦怠感・易疲労・頭痛・めまい・耳鳴り・鬱・ヒステリー・微熱・むくみ・咽頭違和感・脱毛・光線過敏症・皮下出血(青あざ)・鼻出血・胸痛・嘔気・胃痛・便秘など、症状は多岐に渡ります。

原因不明の体調不良でお困りの女性は、一度貯蔵鉄の測定をしてみるといいかもしれません。

尚、血清鉄の測定では鉄不足の有無が分かりません。貯蔵鉄のチェックが重要です。鉄不足が原因での症状は、ヘム鉄摂取で劇的に改善します。

副腎疲労症候群

副腎疲労症候群

朝起きられない、慢性的な疲労、うつ症状、皮膚炎、関節炎、化学物質過敏症などのいろいろな症状が現れるので、よく精神疾患と誤診されてしまいます。

副腎はコレステロール・ビタミンC・パントテン酸などを材料としてストレスに対抗する副腎皮質ホルモン(抗ストレスホルモン)を作る臓器です。

ストレスの持続、睡眠不足、糖質の過剰摂取や栄養不足などで副腎でのコレステロールやビタミンCの貯金が尽きてしまい副腎疲労症候群が発症します。

副腎で作られるDHEA-S測定が副腎疲労症候群の診断に役立ちます。

改善には、ライフスタイル、食生活の改善、ビタミンCやタンパク質などの栄養摂取やDHEAサプリメントやパントテン酸、カルシウム、マグネシウムの補給が必要です。

副腎はビタミンCが体内で一番多く含まれている臓器、言い換えると一番ビタミンCを必要としている臓器なのでビタミンCの摂取は重要です。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎はアレルギーが発症原因だけとは限らず、ビタミンAや亜鉛の栄養素が不足して皮膚炎・湿疹を起こすことも多く、特に乳児の湿疹は、亜鉛欠乏や皮膚の小さい掻き傷に黄色ブドウ球菌が感染したことが原因となる場合もあります。

このような栄養欠損や細菌感染が原因の皮膚炎に副腎皮質ホルモン(ステロイド)を長期連用するとことで、元来アトピーでない人がステロイドの副作用により本格的なアトピー性皮膚炎様の症状を呈するようになってしまうといわれます。

ステロイドを長期連用すると、皮膚萎縮と感染の誘発・増悪というステロイドの副作用により、皮内に細菌が感染して炎症を悪化させてしまいます。

人間は本来自分の副腎でビタミンC・コレステロール・パントテン酸を材料としてステロイドホルモンを作ります。

外部からステロイドを与えられると、副腎は自分でステロイドホルモンを作る必要がないと勘違いしステロイドホルモン産生能が低下してしまいます。

そして、ステロイド開始年齢が早く、長期連用しているほど産生能力が低下していると言われていますが、ステロイドを塗るのを急にやめてしまうと、自分の副腎でステロイドホルモンを十分産生できないので、皮膚炎が急激に悪化してしまいます。これをリバウンドと言います。

リバウンドするとまたステロイドに頼らざるを得なくなり、まるで麻薬のようにステロイドを手放せなくなってしまうのです。

ステロイドの副作用などで皮膚のバリア機構が破綻しているアトピー患者さんの皮内には、黄色ブドウ球菌などの細菌感染が合併しており、病態を悪化させていますので、除菌が非常に重要になってきます。

アトピー性皮膚炎は、肘などの関節部位に鳥肌様の皮膚を呈することが多いですが、これは角化異常と言います。

皮膚の細胞の分裂には亜鉛、分化にはビタミンAが必要なので、鳥肌様の皮膚を呈するアトピー患者さんは亜鉛、ビタミンAが不足していると言えます。

プロスタグランディンE1(PGE1)という生体調節ホルモンは、抗炎症作用を持ちアトピー改善に有効で、EPAやリノール酸・γ‐リノレン酸から変換されるので、これらを摂取することで症状改善に役立ちます。

またリノール酸・γ‐リノレン酸がPGE1に変換されるには亜鉛・ビタミンB6・ビオチン・ビタミンC・ナイアシンなどが必要になりますので、これらの栄養素を補給することも治癒に役立ちます。

ビオチンはヒスタミンのもとになるヒスチジンを対外に排出する作用がありますので、ビオチンを多く含む食品の摂取も心がけたいものです。

貧血

貧血

貧血 ここでは一番頻度の高い鉄欠乏性貧血についてですが、やはり原因は鉄欠乏です。

しかし、ヘモグロビンが低くなっていない隠れ鉄欠乏(フェリチンという貯蔵鉄のみ低下している状態)の場合もあり、診断が医療現場では正しくなされていないことがあるようです。

また、鉄は吸収されにくいので鉄の吸収を阻害している要素がないかを確認することも必要です。

例えば、フィチン酸、タンニン、食物繊維などが多く含まれる食品と一緒に摂ると吸収が阻害されます。

鉄欠乏は倦怠感、うつ症状、イライラ、不安発作などの精神神経症状がよく見られますので、精神疾患と誤診される場合もあるようです。

ヘム鉄の摂取で、ヘモグロビンの上昇はもちろんのこと、フェリチンの上昇を目指します。また血液を造るにはタンパク質も材料として必要ですので、タン白質の補給もヘム鉄と平行して行う必要があります。

血液は骨髄で造られますが、造血にはビタミンAやビタミンB12、葉酸、亜鉛も欠かせません。

月経困難症・生理痛

月経困難症

月経痛ですが、鉄・亜鉛・タン白質・ビタミンA・ビタミンC などが不足すると子宮粘膜の分化異常・機能低下がおきて痛みが強まります。

また子宮周辺の血流の悪化や子宮粘膜の過度の収縮も痛みの原因になりますので、血流改善にはビタミンE、子宮の過度の収縮にはγ‐リノレン酸の摂取が有効な場合があります。

子宮粘膜に不足している栄養素を摂取し、子宮粘膜を強化することで根本的に生理痛を改善させることが可能です。

生理不順や無月経は、ストレス・ダイエット等による栄養欠損、過度の肥満、甲状腺機能異常、不規則な生活などでホルモン分泌の司令塔である視床下部の混乱が起き、働きが低下しホルモンバランスが崩れることが主な原因です。

月経前症候群(PMS)

月経前困難症(PMS)

月経前症候群(PMS)とは「月経の2週間ないし1週間位前からおこり、月経開始とともに消失する、周期性のある一連の身体的、および精神的症状を示す症候群」と定義されています。

わかりやすく言えば、月経の前に体や気持の調子が悪くなり、次の月経の始まりとともに自然に軽快するいろいろな症状のことをいいます。

PMSの主な症状としては、頭痛・乳房痛・下腹部痛・むくみ・にきびといった身体的症状と、怒りっぽくなる・不眠・鬱・涙もろくなる・感情の起伏が激しいといった精神的症状があります。

PMSは月経前の栄養素の濃度変動や体内の過剰な塩分、水分貯留が原因とされています。エストロゲンの濃度上昇に伴う、エストロゲンとプロゲステロンのインバランスや抗利尿ホルモン(バソプレシン)が関与しているので、γ‐トコトリエノール・γ‐トコフェロールを摂取すると、過剰なナトリウムや水分を排出できます。

また、エストロゲンの代謝を高めるビタミンB6などの栄養素摂取でホルモンバランスが整い、多くの場合月経前症候群のつらい症状は解消されるといわれます。

 

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