有機リン系・ネオニコチノイド系農薬とアルツハイマー及び精神疾患

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農薬散布

アメリカでは約540万人の人がアルツハイマー病に罹患しているという報告があります。日本でも、推定300万人、2050年には3200万人にもなるという国もあるそうです。

アルツハイマーに関する研究は世界中で行われており、原因の可能性として、慢性感染症、ホルモンレベルの低下、炎症、ミトコンドリの機能不全、酸化的ストレスおよび毒性化学物質などの関与が報告されています。

中でも近年、アルツハイマーのリスクを高くする要因として農薬に含まれる化学物質の関与が多数報告されています。

以下に、最近のアルツハイマー病など神経疾患と農薬に含まれる化学物質の関連についての報告をご紹介します。

 

アルツハイマー病を含む認知症の罹患率の増加に対する有機リン系農薬の曝露が関連

有機リン系農薬は、アルツハイマー病の特徴である微小管脱力症およびタウリン高リン酸化を引き起こす可能性が高くなります。

研究では、ジクロロジフェニルジクロロエタン(DDE)の代謝物であるジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT)の血清レベルが、アルツハイマー病患者で3.8倍高かったことが報告されています。

Ballard et al.(2011)はアルツハイマー病の発症に関連するリスクの70%までが遺伝要因を原因とし、その他の原因として、肥満、喫煙、 不活発、高血圧、糖尿病などがあるとしている。

これらよく知られた要因に加え、特定の農薬に対する曝露、特に有機リン系農薬への慢性的曝露が、アルツハイマー病発症のリスクに寄与することを示す新たな証拠が見つかっている(Zaganas et al. 2013)。

例えば、長期曝露が増えるにつれ、認知、行動、精神運動の機能不全が増えることを示した研究が数例ある(Costa et al. 2008)。

やはり認知症の中で多い病気である血管性認知症のリスクも、農薬曝露 により上昇する可能性がある。

他の変性疾患と同様に、これらのタイプの認知症と農薬曝露には、遺伝的なかかりやすさが関係するものと思われ、それは おそらく、農薬を解毒する酵素など特定の遺伝子の変異を持つ人が農薬曝露を受けると、発症しやすくなるのであろう(Zaganas et al. 2013)」

※化学汚染物質が環境中にどのように分布して世界に影響を及ぼしているかを発見することを目的とした研究国際機関グリーンピース2015年6月、農薬と健康―高まる懸念から引用

米国環境保護庁は、有機リン系農薬は人間だけでなくミツバチや野生動物にとっても危険であると指摘しています。

 

アルツハイマー、パーキンソンの原因の一つにネオニコチノイド系農薬

アルツハイマー型認知症、パーキンソン病、ADHD、自閉症などありとあらゆる神経疾患難病が農薬と関連があるといわれています

パーキンソン病に関していうと、特定疾患医療受給者交付件数の推移を確認すると、1980年から2014年の間で17倍にも増えています。

その他、重症筋無力症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症なども10~20倍近く増えています。

特定疾患別受給者推移

ネオニコチノイド系農薬は、もともとタバコの有害成分であるニコチンとよく似ているため、「新しいニコチン」という意味で名付けられた農薬です。

神経毒性があり、昆虫や人の神経系で重要な働きを担うアセチルコリンの正常な働きを攪乱するといわれています。

ネオニコチノイド系農薬が原因で、07 年の春までに北半球でミツバチの4分の1 が消え去ったとまでいわれています。

※『ハチはなぜ大量死したのか』<ローワン・ジェイコブセン/文藝春秋>参照

 

ネオニコチノイドの人体への影響

ネオニコチノイドは、アセチルコリン系という、神経に関わる部位に悪影響を与えます。

人が摂取すると血液脳関門を通過し、中枢神経系や自律神経系、骨格筋に関連する多彩な症状を引き起こすことがわかっています。

指の震え、脈の異常、発熱、腹痛、頭痛、胸痛、嘔吐、不眠などのほか、短期の記憶障害も起きます。

また胎盤も通過するので、妊婦が摂取すれば胎児が多大な影響を受ける危険な物質です。

では、このネオニコチノイドには一体どのような特徴があるのでしょうか?

①「浸透性農薬」と「複合毒性」

浸透性農薬とは、農薬が根や葉から吸収され、作物全体に広がる性質です。つまり洗っても落ちないのです。

したがって、ほとんどの人がかなりの量を体内に取り入れてしまっているかもしれません。

また、複合毒性とは、ネオニコチノイドが他の農薬と一緒に使用されると毒性が高まるという問題です。

ネオニコチノイドが有機リン系などの農薬と複合した場合、その毒性は数百倍から1000倍以上になると考えられています。

ネオニコチノイドと殺菌剤を混合して使用すると、毒性が240~1100倍になると論文で発表されています。

②「土壌残留性」と「水系汚染」

投与された農薬の半分以上が、1年以上土壌に残留していたという結果があります。

また2008年日本における調査で、河川水の78.8%、水道原水の32.7%からネオニコチノイド(イミダクロプリド)が検出されています。

③「代謝毒性」

人体に入り代謝されることで毒性が増すというものです。
以前問題になった中国餃子による食中毒ででてきたメタミドホスがその例です。

 <被害の例>
  • ミツバチはアセチルコリン系が狂うために、混乱して巣に帰って来れなくなるという異常行動を示したり、大量死することがあります。「サイエンス」や「ネイチャー」という一流科学雑誌にも2012年論文が掲載されています。ネオニコチノイド系農薬は、2000倍に希釈してもミツバチに影響があります。それが無人ヘリコプターによって7~8倍希釈だけの濃い農薬が日本では散布されています。(クロチアニジン)。
  • 外国では、害虫駆除のためにネオニコチノイドを散布したところ、害虫の天敵までも殺してしまい、生態系が崩れ、逆に害虫の増加を引き起こしてしまった例もあります。
  • 人的被害としては、2008年長野県で、保育園の近隣でヘリコプターによる農薬の空中散布が行われました。その直後、普段はきちんと行動できる子の落ち着きがなくなって大声を出したり、同じところを走り回ったりするようなことが見られました。また10人いた園児のほとんどが腹痛や下痢を訴えました。

脳神経科学者の黒田洋一郎氏は、これらの農薬が注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、アスペルガー症候群、自閉症、広汎性発達障害 (PDD)、軽度精神遅滞(MR)などの発達障害が子供たちに増え続けている大きな要因になっているという懸念を示しています。大人も当然影響を受けています。

 

日本はネオニコチノイドの使用量増加

世界的にみると、ネオニコチノイド系農薬の使用頻度は減少傾向にあります。EUや韓国ではネオニコチノイド系の規制が始まっています。

ところが、農薬使用量世界第3位の日本は規制するどころか、逆に基準や規制が緩和され、使用量は増加する傾向にあります。

農林水産省はネオニコチノイド系農薬が少量で効き目が持続するので、減農薬推進に役立つとして「欠かせない農薬」と位置づけています。

現に、最近10年間でネオニコチノイド系農薬の国内出荷量は3倍に増えているのです。

私たちがこれを見過ごすと、将来とんでもない問題が自分たち、さらに子供や孫たちを襲うことになります。

※ビジネスジャーナル記事より引用

ネオニコチノイドの影響と実際

①農薬が原因で海外に出荷できない

国内向けイチゴは農薬のせいで台湾など外国に出荷できないのです。

外国では受け付けてもらえないイチゴが、国内では堂々と出荷され、自分たちの体の中に入っているのです。

だから農家の人たちは、外国への出荷用に農薬の少ないイチゴを栽培しているとのことです。

農薬散布の回数は、NPO法人食品と暮らしの安全基金によると、山梨県の農薬散布回数と千葉の例を下記のように挙げています。

トマト67回、キューリ57回、ナス34回、キャベツ26回、イチゴ40回、梨32回、リンゴ30回、茶14回、稲14回 (2018年山梨県の例)

JA千葉のトマト 農薬散布回数は61回中、ネオニコチノイド散布回数は10回となっています。(2018年のデータ)

②住宅建材にも使用

ネオニコチノイドはガーデニング用の殺虫剤や除草剤、家庭用殺虫剤(コバエ、ゴキブリ、ムカデ)、ペット用のノミ取りなどにも使われています。

また、住宅建材(木材建材、断熱材、接着剤、塗料)などにもネオニコチノイド薬剤が使用されています。

 

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