私たちの身の回りに溢れる有害化学物質は、下記の三つの経路で身体に侵入し、様々な身体症状をひき起こす原因となっています。
経口吸収
食べ物などに含まれる有害物質を口から吸収する
食べ物や飲み物と一緒に有害化学物質が体内に入るルートが「経口吸収」です。食品添加物はじめ、野菜などに付着、蓄積された農薬、肉や魚、飲料水などに含まれる汚染物質が口から入ります。
口から入り消化器で吸収されてしまった毒性は、肝臓に運ばれ代謝酵素により分解され解毒されます。ただし、肝臓が解毒できるのは約9割と言われ、残りの約1割は血液循環にまわり臓器や器官に蓄積されると言われています。
経気道吸収
気体、ガス、蒸気、ミスト、粉塵などを鼻や口から吸い込む
呼吸と共に直接、肺に吸収されるルートが「経気道吸入」です。この吸入で肺に入った毒性は、すぐに血液に溶け込み、体内を循環しながらあちこちに吸収されてゆきます。
体内に直接吸収されるため、肝臓での解毒作用は受けず、毒性が取り除かれることはありません。この吸入による危険性で、問題視されているのが、ダイオキシン、アスベスト、シックハウス症候群などです。
経皮吸収
液体、粉塵など皮膚に付着した物質が皮膚から進入する
皮膚を通して有害化学物質が体内に入るルートが「経皮吸収」です。皮膚浸透は、親水性の物質よりも脂溶性を持つ化学物質のほうが皮下に浸透されやすいことがわかっています。
脂溶性を持つ化学物質というのは、ラウレル硫酸Naやラウレス、スルホン酸などの石油系合成界面活性剤等が代表的なものです。これが皮膚バリアを掻き分けて皮下に浸透していきます。経口吸収では毒素の約90%が排出されるのに対して、経皮吸収では10%しか排出されません。
有毒物質(毒素)による健康障害の発生メカニズム